今日の流れ
今朝の軸は、AIの競争が「モデルの賢さ」だけでなく、実運用の器まで一気に広がっていることです。OpenAIは推論専用チップと deep research API、AnthropicはSlack常駐の Claude Tag、GoogleはGemini 3.5 Flashへの computer use 統合で、どこも“業務に埋め込む”方向を急いでいます。
もう一つの軸は、AI関連株の値動きが一枚岩ではなくなってきたことです。最新の米国市場では大型テックが重い一方、半導体ETFは強く、AI投資の中でも「何にお金が向かうか」の選別が進んでいます。
目次
今日のトップ3(AIのみ)
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1
OpenAIとBroadcomの Jalapeño
- 推論コストの主戦場がGPU調達だけでなく専用シリコン最適化へ移り、AIインフラの競争軸がまた一段深くなりました。
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2
Claude Tag のSlack常駐化
- 「チャットで聞くAI」から「チームの中で仕事を持つAI」へ進んでおり、エージェント実装がいよいよ実務導線に乗り始めています。
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3
Gemini 3.5 Flash への computer use 統合
- 画面操作・検索・ツール利用が1つの軽量系モデルにまとまり、エージェント構築の標準部品化が進んでいます。
今日の主要ニュース
1. OpenAIとBroadcom、推論専用AIチップ「Jalapeño」を公開
- OpenAIとBroadcomは、LLM推論向けに最適化した独自アクセラレータ「Jalapeño」を公開しました。
- Gmailで確認したTLDR AI要約でも、「performance per watt を重視した inference chip」として扱われており、消費電力効率が主眼です。
- 学習向け巨大GPU投資とは別に、ChatGPT・API・Codexのような推論負荷をどう安く回すかが次の競争軸になっていることを示します。
- 米国株目線では、AI投資の受け皿が“GPU総量”から“専用推論半導体・周辺サプライチェーン”へ広がるシグナルです。
参照: OpenAI official URL / Broadcom press release / TechCrunch
2. OpenAI API、o3/o4-mini deep researchモデルを追加
- OpenAIのAPI changelogでは、
o3-deep-researchとo4-mini-deep-researchが 6/24 付で追加されました。 - 説明文では「deep analysis and research tasks optimized」とされ、Responses API と web search / webhook 周辺の更新も同時に入っています。
- これは“深掘り調査を人の代わりに長く走らせる”用途を明示的にAPI商品化した動きです。
- 実務では、朝刊・リサーチ・競合調査・仕様比較のような長文調査タスクが、単発チャットからワークフロー化へ進みやすくなります。
3. OpenAI、Codex RemoteをGA化しDigitalOcean連携を拡張
- OpenAIのCodex changelogでは、6/25付で「Codex Remote reaches general availability」が公開されました。
- 同時に、DigitalOcean plugin により Droplet 作成・SSH設定・remote workspace接続までをCodex側で扱える流れが示されています。
- これでCodexはローカル補助ツールではなく、外部計算環境をまたぐ常設エージェントに近づいています。
- 開発現場では「AIがコードを書く」段階から、「AIが実行環境を持って継続作業する」段階への移行として見ておく価値があります。
4. Anthropic、Slack常駐エージェント「Claude Tag」を公開
- Anthropicは 6/23 に
Claude Tagを発表し、Slack上で @Claude をチームメンバーのように呼び出せる形を出しました。 - 公式説明では、選んだチャンネルやツール、データ、コードベースに接続したうえで、将来タスクの計画やスレッド内の継続作業まで担当します。
- Anthropic自身でも広く使っており、記事内では product team のコードの 65% を内部版 Claude Tag が作っていると説明されています。
- エージェントの価値が「賢い返答」より「チームの文脈に常駐して仕事を回せるか」へ移っている点が重要です。
参照: Anthropic: Introducing Claude Tag
5. Google、Gemini 3.5 Flashにcomputer useを標準統合
- Googleは
Introducing computer use in Gemini 3.5 Flashを公開し、computer use を Gemini 3.5 Flash の built-in tool として統合しました。 - これまで別立てだった computer use 系能力が、Search や Maps grounding と並ぶ標準機能として扱われます。
- 軽量・高速寄りのFlash系に画面操作まで入ったことで、実用エージェント構築のコストがさらに下がります。
- 開発者目線では「別モデルの寄せ集め」より「単一基盤で動くエージェント」へ寄せやすくなる更新です。
参照: Google: Introducing computer use in Gemini 3.5 Flash
6. Claude Code v2.1.193、auto modeとバックグラウンド運用を改善
- Claude Code の最新 changelog では
v2.1.193が公開され、autoMode.classifyAllShellや denial reasons の可視化が追加されました。 - バックグラウンドタスクでは idle shell の memory-pressure reaping、pinned agent の再プロンプト抑制、phantom subagent 修正など、常用時の摩擦が多く潰されています。
- 6/24に話題化していた
v2.1.191の/rewind追加も重要ですが、足元ではさらに運用安定性の改善が先へ進んでいます。 - コーディングAIは派手な新機能競争だけでなく、「落ちにくい・暴れにくい・権限理由が分かる」方向へ成熟していると見てよさそうです。
Morning Market Report
- 参照版: 2026-06-26 U.S. Market Close | 詳細 → https://reraflow.info/daily/2026-06-26-market
- S&P500 は -0.01%、Nasdaq は -0.46%、Dow は +0.14%。指数全体は横ばい圏ですが、大型テックは重い引けでした。
- Apple -6.12%、Microsoft -3.46%、Oracle -3.22% などAI大型株が軟調な一方、半導体テーマETF(SMH系)は +2.90% で逆行高でした。
- VIX は 18.89、クラウド -2.00%、ソフトウェア -1.64%。AI投資の中でも“アプリ/大型株”と“半導体”で資金の向きが割れています。
今日見るべきシグナル
- Jalapeño のような推論専用チップ競争が、AVGOや周辺半導体銘柄の新しい評価軸になるか。
- Claude Tag や Gemini computer use が、単発デモで終わらず企業内の標準導線に乗るか。
- 米国株では、AI大型株の弱さが一時的な利食いで済むのか、それともAI投資テーマの中で本格的な選別に入るのか。